代表の中村です。

これまで、トレタが使い勝手にこだわっていることについては、機会があるごとにあちこちで表明してきました。
その中で常に訴えていたのは、
  • 今までのBtoBはUIを軽視しすぎ
  • むしろ業務系ツールの方がUIにこだわるべきだと思う
  • 使いづらさが飲食店の情報化を妨げていたのだから、そこを解消して飲食店が簡単にテクノロジーを使いこなせるようにしたい
あるいは
  • 飲食店の皆さんが毎日気持ちよく使えて、レセプションというお店の「顔」に置いても恥ずかしくないものにしたい
みたいな思いもあったりするのですが、実は、トレタが使い勝手にこだわっているのにはもう一つの理由があります。
今回ヤフーさんとの「公式連携」が正式にスタートして、それもようやく言えるようになりました。
今回の連携には、多くの繁盛店さまもご参画いただいていますが、実はこの公式連携が大きく成功するかどうかは、まさにトレタの使い勝手にかかっていると考えています。

なぜか?このエントリーではそれをご説明したいと思います。


■グルメサイトとの連携の目玉の一つは「リアルタイム検索」の実現
今回のヤフーさんとの連携が画期的である理由の一つが「リアルタイム検索」の実現です。
リアルタイム検索とは、ユーザーさんがいつでもスマホで「現在地の恵比寿近辺で、10分後から4名で入れそうな焼肉屋さんはどこ?」と検索して、即座にその結果が得られるだけでなく、そのまま予約まで完了してしまうような、そういうサービスですね。
 
今回の連携では、それを実現することを目指して開発してきました。
ヤフーはトレタから、飲食店の空席情報を最後のテーブル一つ、最後のイス一つに至るまで正確かつリアルタイムに取得していて、そこにオーバーブッキングやダブルブッキングの心配なく予約を送り込むことができます。
この、リアルタイムに「最後の一席まで」ネットで安全に予約を受け付けることができる点こそが、今回の連携が画期的と言われている所以なのですが、これを実現するために絶対に欠かせない要素が一つだけあります。

それは何かというと、「電話予約がきちんとリアルタイムにトレタに入力されていること」です。


■「紙とシステムの併用」が多かった従来の台帳
従来の飲食店向けの予約台帳サービスでは、システムと紙を併用する店舗が非常に多かったのが現実です。
その理由はいくつかありますが、大きくは下記の三つでしょう。
  • 現場にPCを使える人が少ない。キーボードやマウスを使いこなせないので、電話で受けるときに一旦紙にメモして、後でゆっくり入力せざるを得ない。
  • システムの反応が遅いため、電話でのやりとりのスピード感に合わない。なので、一旦紙で対応して、電話を切ってから入力せざるを得ない。
  • 使いづらく直感的でないので、すばやく正確に使いこなせるようになるには相当の熟練が必要。お客様の電話対応をしながら同時に操作しようとしてミスが起きてしまっては大変なので、一旦紙で受けておいた方が安全。
こうして、店舗の現場では予約の二重管理が常態化することとなります。
これって全くペーパーレスを達成できていないし、そもそも予約業務という観点から見れば紙だけの管理よりも手間が増えているわけですが、でもこうでもしないとマネジメント側の要望に対応できないわけですから仕方ありません。

ただ、これがネットからリアルタイム予約を受けようとすると、致命的な問題を引き起こすことになります。


■電話予約が一旦紙にメモされるとどうなるか
その「致命的な問題」について説明する前に、トレタとヤフーの連携についてもう少し詳しくご説明しておきましょう。
 
トレタとヤフーはサーバー相互にAPIレベルで連携しており、全ての空席情報をリアルタイムで共有しています。
まず加盟店さまが設定画面で「トレタとヤフーの連携」の機能をONにすると、その直後に双方のテーブル情報を一致させ、以降、テーブルの満席空席情報を相互に更新し続けていきます。
例えば、店舗で電話予約を受け付けて、トレタアプリから4月18日19:00に3番のテーブルに予約を登録したとします。すると、その瞬間にトレタのサーバーからヤフーにも「4月18日19:00から、3番のテーブルに予約が入ったよ」という情報が通知されます。(ちなみにこのとき個人情報は送られませんのでご安心ください。あくまでも「テーブルが埋まった」という情報だけです)

これによって、ヤフーは「ヤフー&トレタ連携店舗」の空席情報を常にリアルタイムに保持していることになりますから、ヤフーの検索画面で空席を検索するニーズにも完璧に応えることができるようになっています。もちろん、ヤフーでネット予約を受けるときには再度空席があるかどうかをトレタに確認するようになっていますから、オーバーブッキングが発生する可能性はありません。

このような密接な連携をヤフーとトレタの間で行っているわけですが、しかしこのシステムは大きな前提条件に立って構築されています。その前提とは「全ての電話予約は、現場でトレタにリアルタイムに入力されている」ことです。
仮に、この前提を覆すような予約運用が店舗で行われている場合、このリアルタイム予約はいとも簡単に破綻することになります。

たとえば前述のように予約を一旦紙で受けて、後でシステムに入力するような運用をしている場合、「ヤフーからは空席に見えているけれど、実は埋まってしまっている席」というのが発生してしまうわけです。
お店の人がトレタへの入力を行う前に、その席にヤフーからネット予約が入ってしまったら…
その時点でオーバーブッキング確定となってしまいます。

こういう状況は、店舗の現場では決して珍しくありません。忘年会シーズンの繁忙期はもちろん、週末金曜日の夜だってあちこちのお店で起きていておかしくありません。 

ちなみに、トレタの加盟店さま全体での予約経路の比率は「電話9 : ネット1」となっています。つまり、現時点ではネットよりも電話の方が圧倒的に予約件数が多いのが現状です。
この電話予約が全てリアルタイムにトレタに入力されない限り、リアルタイム予約は事故だらけの怖くて使えないサービスにしかならないでしょう。
でも「全ての電話予約をリアルタイムに入力してもらう」というのは、実は現場にとってかなりハードルが高い目標であり、結果として「ネットからのリアルタイム予約」は簡単そうに見えて、相当に難易度の高いサービスでもあるというのが実際です。


■トレタは紙の完全追放に成功している唯一の予約ツール
トレタは、それを使っている店舗様での「予約事故」を限りなくゼロに近づけることを大きな目標としています。もしもトレタとヤフーの連携で予約事故を増やすようなことが起きてしまっては本末転倒。それはトレタでは絶対にやってはいけないことだと思っています。

しかし「紙とシステムによる二重管理」が行われている限り、その危険性は高くなることはあっても低くなることはあり得ません。
だからこそ、トレタは「紙台帳をトレタに完全に置き換える」ことを重視してきたのです。
トレタの最大のライバルは「紙の台帳」であり、そこから完全にトレタに乗り換えてもらうことができるようなツールを作ることを目指してきたのは、まさに、この「リアルタイム予約」を実現するためでもあるのですね。
実際、トレタは予約台帳サービスの中でも最も紙の完全追放に成功していると自負しておりまして、加盟店数の99%は「紙なし」での予約の受付や管理に成功しています。
  • キーボードやマウスが使えない人でも使える操作性
  • キーボードやマウスが使えなくても「どうにかできる」ための録音機能や手書き機能
  • 電話での素早い対応を実現するための、レスポンス速度0.01秒の違いへのこだわり
  • 初めて使う人でも迷わない、間違えないUI
こういう要素が全てしっかりと作り込まれてこそ、紙を追放することの可能なツールができあがります。表面的な見た目だけ似せても、トレタと同じものは作れません。
そして、紙を完全に捨て去って、予約の受付から管理までをアプリ内で完結できるトレタが裏側にあってこそ、ネットからのリアルタイム予約は成功するのだと思っています。

ちなみに、ここまで徹底して予約事故を防ぎながらリアルタイム空席検索まで可能なサービス連携を実現できているのは、現時点ではヤフーとトレタの公式連携だけだと思います。
ヤフーとトレタの連携は、単にグルメ媒体と予約台帳が繋がったというだけの話ではないのです。ヤフーの媒体力と、それを裏で支えるトレタの使い勝手、そして徹底して予約事故を防ごうという両社の強い執念があってこそ可能となった連携なのだと言ってよいでしょう。


僕たちは、これからも「三方よし」の理想的なネット予約の普及に向けて、コツコツとサービスを磨いていきたいと思いますので、今後のトレタにも是非ご期待ください。