代表の中村です。

先日サンフランシスコとシリコンバレーに出張しまして、その際にUberに乗りまくったわけですけども、そこで感じたことや気づいたことについて、COOのけんごちが「書け」と言うもんですから、ちょっとブログにしたためてみたいと思います。

XT1H0256



■ユーザーとして感じたこと
実は、僕は今まで日本ではUberを利用したことなかったんですよね。なんか流行に乗り遅れた感は否めませんが、そもそも日本だといつでも目の前をタクシーが山ほど走っているわけですから、配車を待ってるよりも拾った方が早くね?というのが率直な考えでした。
でも、多分これはあくまでも日本国内での話であって、おそらく米国では何かが決定的に違うはず。そこで今回の渡米では、空港から市内、そしてシリコンバレーとの行き来など、全ての移動にUberを使ってみることにしました。
おもに使ったのはUber-X。日本で言うところの白タクですね。一般人が運転手をやっちゃうアレです。

Unknown


<配車>

最初はね、やっぱり配車を依頼するとき緊張するわけです。どうやったらクルマが来るの?タクシーみたいな見分けやすいサインがあるわけでもなし、Uberのクルマだってどう見分けるの?と思ったりもするわけですが、やってみると意外とスムーズにクルマを見つけられるもんですね。
向こうのドライバーさんもこっちを一生懸命探しているわけですから、大抵はお互いに目があって、「あ、もしかしてUber?」みたいな感じでアイコンタクトが成立するとクルマが止まり、ドアを開けたら「Are you hitoshi?」と聞かれ「Yes, hi how are you」となる感じです。もちろん、アプリではクルマのナンバーも確認できますので、不安な場合はナンバーで特定も可能です。


<目的地>

Uberでは、配車依頼時に行き先も指定するようになっていますので、クルマに乗っても基本的に目的地をドライバーに伝える必要がありません。伝える必要がないだけでなく、Uberアプリでは最適ルートも表示され、しかもそれはドライバー側のアプリでも共有されていますますので、ドライバーがきちんと正しいルートを通っているかリアルタイムに確認可能です。
市内だと渋滞が酷いので、ドライバーによっては「ちょっとUberの指示とは違うルートを通るよ」と言って経路を外れることもあるのですが、その場合もつねに手元のアプリでリルートされ続けますので実に安心。見知らぬ土地でぼったくりの心配がないというのはとても快適です。


<支払い>

もちろん、支払いも不要です。Uberといえば支払い不要、というくらい有名になった支払いいらずのタクシー体験ですが、確かにこれは便利この上ありません。
まず、手元に現金があるかどうかを気にしなくてよい。それも、たとえ100ドル紙幣があってもタクシーでは使いづらいので、小さめの紙幣があるかどうかがいつも気になるわけですが、基本的にそういう心配は全て不要になります。
さらにチップの心配もしなくてよい。これも本当に楽ですよね。そもそもどのくらいのチップを渡そうかなと考えること自体がストレスですから、それから解放されるのは快感ですらあります。目的地に付いたら「Thank you, bye」だけで終了ですから、むしろ最初はこっちが「あれ?チップどうするの?いいの?」みたいに心配になるくらいにあっけない感じです。

で、使っているうちに思ったのですが、実はUberの支払い体験で一番すごいのは「支払いの面倒がない」ことなのではなく、「財布がなくても、スマホさえあればどこまででも行ける」っていう安心感の方です。少なくとも「移動」に関しては、もう財布を持っているかどうかという心配から完全に解放されます。
旅先でこんなに心強いサービスはありません。財布をすられても、とにかくスマホさえ握りしめていればホテルまで無事帰れるわけですからね。(そして大体旅先ではスマホを握りしめているわけですし)


<降車後>

もちろん降車後の体験も実によくできています。
降車した直後は何もすることはありません。しばらくしてから、次の移動のためにUberを起動すると、前回の利用の明細が表示され、さらにドライバーを5段階評価するよう求められます。ちなみにここで間違っちゃいけないのは、「問題がなかったら★5つをつけようね」ってことです。日本人的感覚だと、「普通でした」の場合は★3つだと思うんですが、そうじゃなくて5つです。これは文化の差なんですかね。
で、★が4つとか5つだったらこれで終了です。(ちなみに、この手続きが終わらないと次の配車ができないようになってるのもよくできてると思います)

ここで仮にドライバーに問題があって★2つとかをつけようとすると「何が悪かった?」という質問が出てきます。運転技術なのか、態度なのか、社内が汚いのか、みたいな選択肢を選ぶことになります。
配車依頼をしてクルマが決まるとドライバーの名前が表示され、その横に「4.7」みたいなレートが表示されるのですが、そのレートはこの評価で決まっているというわけです。今回乗りまくった経験だけで言うと、大抵のドライバーは4.5から5の間です。
Uberのドライバーに聞くと「3点台になるとUberで仕事をできなくなるよ」ということらしいのですが、実のところ僕らは一度だけ「3.5」という女性ドライバーのクルマに乗ってしまいまして、確かに死ぬかと思う恐怖経験もしました。というわけで、このレーティング、確かにかなりアテになります。万が一3点台のドライバーがアサインされたら、速攻でキャンセルを入れることをオススメしておきたいと思います。

そういうわけで、Uberのサービスは確かによくできていることが分かりました。
サンフランシスコ市内だと、東京と同じようにかなりの数のタクシーが目の前をバンバン走ってたりするのですが、それよりUberの方がいいなあと思って、目の前のタクシーを無視してUberを呼ぼうとしている自分がいました。
実際、Uberを起動したら自分の周りにウジャウジャ空車が走ってるのが見えますし、呼べばだいたい遅くとも3分くらいでクルマが到着しちゃいますからね。これが10分となると待てなくてタクシーを拾っちゃうんでしょうけど、3分なら待てます。
この水準の待ち時間の短さを実現できていることこそが、実は目の前のタクシーに勝てる最大の理由なんでしょうね。

XT1H0075



■トレタ目線で考えるUber
で、このUber体験を、ユーザー目線は一旦忘れてトレタの人間として見直してみると、いろいろなことに気づかされます。


<Uberを成立させている三大要素>

まず、UberをUberたらしめている根源的な要素は何かというと、おそらくこの三つなのではないかと思いました。
  • 空車在庫
  • 予約
  • 決済

もちろん、ナビの機能やレビューの機能も重要なのですが、しかしそれらはこの三要素をより効果的に回すための補助的な位置づけであって、あくまでもUberというサービスはこの「空車」「予約」「決済」が有機的に組み合わされることで実現できているのではないかと。
それによって、全く新しい「移動」体験をデザインできているんではないかと思うのですね。
空車在庫を確保し、それに効率よく需要をマッチングさせ、決済までを一体化させることによって循環ループを作り上げる。
最初(配車)から最後(決済とレビュー)までが切れ目なく美しく繋がり、さらにそれが次の配車に循環していくことによって、全く新しい移動体験を作り上げることに成功したことこそが、Uberの強さなのではないでしょうか。


<その中でも一番大事なのは空車在庫>

で、この三大要素の中でも、最も大事なのは「空車在庫の確保」なのではないかと思うわけです。
空車在庫はUber体験の起点になる部分ですから大事なのは当然なのですが、しかし大事な理由はそれだけではありません。

Uberが流しのタクシーに負ける要素があるとしたら「目の前のタクシーならすぐ乗れるのに、Uberだと配車を待たないといけない」という一点です。
僕自身がサンフランシスコで一番感じたのはまさにそこで、Uberの快適さを楽しめるのは、呼んだら3分以内に来るからに他なりません。10分待たされたら僕は絶対に使わないでしょう。
そもそもタクシーに乗って移動するのは、次のアポイントに間に合わせたいなど、何らかの時間的制約があるケースがほとんどです。そしてその状況での待ち時間の長さは致命的。

だからこそ、Uberは空車在庫を最大化するためにありとあらゆる手段を取っているのではないかと思うのです。
実際、一般ドライバーを運転手にしてしまうUberXにしろ、Lyftなど競合サービスのドライバーをUberに引き抜こうする活動にしろ、彼らのやる施策は常にさまざまな議論を引き起こすのは事実です。しかしそれでも決してその手を緩めないのは、ひとえに彼らがそれらの打ち手によって「空車在庫の最大化」を実現しようとしていて、それこそがサービスの根源的価値や強みに繋がると考えているからに違いありません。


<在庫の確保こそがこれからのあらゆるサービスの肝になる>

というわけで、ここからはトレタの話です。実はこの構造は、トレタにも全く同じ事があてはまるのです。
僕らが「予約台帳」のサービスを始めたのは、飲食業界でネット予約の時代を実現するためには、「空席在庫」を最大化することが一番の要になると考えたからです。

ネット予約を受け付ける仕組みを作るだけなら、他にもいろんな方法はあります。旅行業界を見ればサイトコントローラーみたいなツールが普及していたりと、いろいろな会社がいろいろな方法で「予約をネットで簡単に受け付ける」ことを実現しています。
しかし、本当に大事なのはそこではないとトレタは考えています。

一番大事なのは、ネットから予約できる席数を「最大化」することです。
  • 一つはネットから予約できる「店舗数」を最大化すること。
  • そしてもう一つは、それぞれの店舗でネット予約可能な「席数」を最大化すること。

それを誰かが実現しない限り、「ネットで予約しようとしたら満席だったのに、電話したら予約できた」みたいな状況は永遠に続きます。
これでは、いつまでたっても「ネットより電話の方が確実でしょ」という状況は変わりません。

だからこそ、トレタは予約台帳を極めようとしているのです。
もし「快適な予約管理ツール」があって、全ての店舗様がそれを使って予約を管理したとしたら、世界中のレストランの空席情報が自動的にクラウドで一元管理されることになります。この空席情報を各飲食店、そして飲食業界の大事な資産として、グルメサイトやPOSレジと連携するなど様々な形で活用できるようにしたら… 間違いなく飲食業界は革命的に変わることでしょう。
だから僕らは、「三方よし」=店舗もお客様の双方(そしてトレタ)がハッピーになれるようなやり方で、飲食業界における「空席在庫の最大化」を達成しようとしているというわけです。

それさえ実現できれば、Uberのような心地よく画期的なサービスは飲食業界でも実現可能です。トレタが空席在庫の最大化を実現できれば、それを起点にして飲食店での「外食体験」はガラッと変わるはずです。
そんなトレタの使命の重要さを、Uberを体験して改めて実感した次第です。


それにしても、Uberよかったなあ。
たくさんの壁や課題はあれど、これが日本でも普及したらライフスタイル変わるかもなあ。