こんにちは。セールスのアンドレです。食いしん坊です。

皆さん、カレーは好きですか。好きですよね。好きなはず。私は大好きです。それなのに、しばし刺激物を控えよとのドクターストップがかかりました。

カレーを食べてはならぬ、と知ったその週末には既に、「危険すぎる」という理由でダンボールの奥底へ封印した本を、今日はご紹介します。

カレーライスの唄 (ちくま文庫)
阿川 弘之
筑摩書房
2016-04-06


何しろ封印するぐらいなので、思い出しただけでカレーの香りがしてきちゃう、危険な書物なのです。それはカレーに対する蘊蓄がものすごくて奥深いとかそういう知的な楽しみの類ではなく、もうずっと奥のキッチンでカレー作ってますけどとってもいい香りさせてますけどいつ食べますか?みたいな準備万端状態で長ったらしいストーリーを読まされる、でも読むのをやめられない、原始的欲求を抑圧された生殺し感覚だと思ってください。

あ、言い忘れていましたが封印したままなので、現在、私の手元にはありません。全て記憶を頼りに書いております。

勤めていた会社が倒産して、さぁどうしよう、という若者が一念発起。飲食店を始めようさぁ何がいいか、やっぱりカレーだよね、という現代にもありそうなストーリー。ところが舞台は1960年代です。「戦後」を色濃く感じる設定が入っていたり、まさに高度経済成長期!な、おセレブ設定も入っていたり。そんな時代背景とともに楽しめる娯楽小説です。

ちょっと都合の良すぎる展開もあったりするので、本気で飲食起業したいぜ、という方の心の支えになるものではないと思いますし、私のように刺激物を禁じられている方には絶対にお勧めできません。でも誘惑に負けて手が伸びそう。今。危険。

この湧き上がる欲求はやはり、人が根源的に魂の奥底から、カレーの香りを求めている証だと思うのです。それは帰り道の人んちから漂ってくる今晩の夕食カレーであったり。隣の席に座った人が注文した魅惑的にスパイシーなキーマカレーであったり。目的なくぷらぷらしていた駅ビルの中でうっかり出会ってしまった幾千のスパイスの香り、インドの香り。

さて、この小説の最後のシーンが最高に、カレーくさい。むんむん。朝から晩までカレーを煮込んでいるお店でのラブシーンなんて、カレーの匂いしかしませんよ!なんて羨ましいんだ。ヒロインの愛情表現がとびきり可愛い。これもすべてカレー臭の中だと思うと愛おしすぎる。

どうですか、もうカレーのことで頭がいっぱいじゃありませんか。どんなカレーかも分からないのに。

私の好きなカレーはですね、まずジャガイモが入っていますね。辛味が強いのは苦手ですが、チーズをトッピングするのが好きなのでそこそこに刺激があったほうが、チーズのまろやかみと合わさってちょうどよい舌心地になります。ひきわり納豆をトッピングできるとなおよし。

トレタの入っている五反田TOCビルの「シロクマカレー」さんでアンドレスペシャルを注文するときは、この呪文を唱えてください。

「牛すじカレー、焼きチーズと納豆トッピングで」

それでは鼻先のカレー地獄に堕落してみたい皆様、覚悟してお読みくださいませ。