Hello! セールスのアンドレです。

久々に美味しい洋書を手にしたのでご紹介。既に和訳も出ていますのでご心配なく。どうやら映画化も決まっているらしいですよ。


料理本を出すのが夢、のきらきら大学院生ティアがグルメ業界の「嘘」に巻き込まれあれやこれや頑張って、ナイスガイなシェフと色々あったりなんかしつつサクセスを目指す、そんな肉食物語。

舞台はニューヨークの高級レストラン業界。それなりのドレスアップを求められる、いやドレスアップした人には良いサーヴィスがついてくる、そんな世界。きらびやかなブランド名の羅列に、これは『プラダを着た悪魔』か、とつっこんだら、そのグルメ版というのがこの本の謳い文句でした。

著者がグルメライターとしての本領をこれでもか、と見せつけてくるのでとにかく、出てくる料理がすべて美味しそう。しかし今回、私が妙に共感したのは主人公が私と同じ甲殻類アレルギーだから食べられないものが同じ、ということの他に、恋に落ちる描写。

話題のレストランで食事中、噂のナイスガイなシェフが近づいてきて、ナイスルッキングな笑顔を向けてくる。その時に彼から漂う、飴色に焦がした玉ねぎの香り……分かる。シェフって、いい匂いするよね。

私がフレンチレストランでレセプショニストとして働いていた頃、お客様がお帰りになるタイミングで、キッチンへの内線ワン切りでシェフを呼び出すのが決まりでした。シェフはとても律儀な方なので毎回、お料理をして汚れたコックコートを脱ぎ、ご挨拶用の綺麗なコックコートに素早く着替えてから出てきます。その時間を稼ぐのも、私の役目。

キッチンから急ぎ駆けつけたシェフが、バックヤードの扉をくぐりさっと大股にラウンジへ入ってくると、いつもほわん、と良い香りの風が。コックコートは着替えたはずなのに、じっくり丁寧に焼いたお肉の香ばしい匂い、バターの香りが染み付いて、シェフはいつもいい匂い。そう、シェフっていい匂いなのよー。今回ご紹介した作品に登場するシェフの香りはもっとセクシーな、センシュアルな描かれ方をしていますが、当時の私はとっても単純だったので「シェフ、いい匂いー」とくんくん色気もなく嗅いで、マネージャーに呆れられたものでした。

そして今回原書で読んだために楽しめたのが、ニューヨークの料理業界に溢れる日本語たち。”kabocha”に”yuba”に”mochi”やら、もちろん”Kobe beef”も。

ニューヨークの高級レストランはとにかく、内装が凝っています。ZAGATを見て世界観にどっぷり浸かって読むのもおすすめ。ちなみにちょっとだけ自慢ですが、数年前にZAGATで当時のニューヨーク一位、今も一位のレストランで食事をしたことがありまして、やたらとハイセンスなトイレに感激した思い出が。作中トイレの場面に差し掛かってからずっと、そのハイセンストイレがちらついてならなかったです。

映画化も楽しみですが、一足先にぜひ、原作の美味しさも体験してみてくださいませ。やたらとオシャレをしてレストランへ出かけたくなりますので、ファッション誌と一緒にどうぞ。See you again!