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トレタでは、2年ほど前から「トレタ大学」と称した社内勉強会を開催しています。

スタート当初は、代表をはじめとするトレタの幹部社員たちがそれぞれの得意分野について「講義」を実施してきましたが、最近は講義内容を一新。積極的に外部から講師を招き、さらに広くて深い知識や考え方を学んで、全社員で共有しようという場になっています。
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去る3月3日に開かれた「トレタ大学」では、元AWS(アマゾンウェブサービス)マーケティング担当・小島英揮さんが登壇。「コミュニティマーケティング」についてのお話を、たっぷり1時間うかがいました。

以下は、その講義の様子のレポートです。わたしたちが「トレタ大学」で何を学んでいるのか、ちょっと覗いてみてください。

コミュニティマーケティングとは何か

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講師:小島 英揮(おじま・ひでき)さん
所属: InstaVR CMO / ストライプジャパン エバンジェリスト / Rider's Garage (狩猟社) コミュニティアドバイザー / ムーンギフト コミュニティアドバイザー / イベントレジスト コミュニティグロースアドバイザー / コミュニティマーケティングコミュニティ (CMC_Meetup)発起人

JAWS-UG設計者。CMC_meetup発起人。2009年 – 2016年にAWSの日本のマーケティングを統括。現在はInstaVRのCMO、Stripe Japanのエバンジェリスト等、パラレルキャリアを実践中。
Twitter:@hide69oz、 Facebook:小島 英揮


講師の小島さんは、昨年8月までの7年間、アマゾンデータサービスジャパンに所属。トレタも利用しているAWSのクラウド事業を、日本で広めるマーケティングを統括してきました。
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とはいえ、7年前は小島さんのほかに担当者はゼロだったとのことです。

「戦力がないなかでクラウド事業を大きくすることができたのには、コミュニティマーケティングの力があったのではないかと考えています」

コミュニティマーケティングーー文字をそのまま読み解くと、自社の商品・サービスのファン集団=顧客コミュニティを通じてプロモーションしていくというマーケティング手法、ということになりそうです。

そんなふうに捉えると、コミュニティの規模以上にビジネスが大きくならないようなイメージですが、そうではないと小島さんは指摘します。

「よくある間違いなのですが、商品やサービスをコミュニティに売ることは目的じゃないんです。ファンに売ろうとしたら失敗します。違うんです。大切なのは『Sell through the community』。ファンが中心になって、まわりの人たちに商品やサービスの良さを伝えていくと。そういう構図を作っていくことが重要なんです」
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そうして「これ良いよ」という評判がどんどんと広がっていくと、コミュニティの周辺からさらに外に向かって評判が拡散していき、いろいろな人たちに「どうやら良いものらしい」と認知されていくようになります。

「その結果、ビジネスに大きなインパクトをもたらすことにつながっていくんです」

では、そんなコミュニティをどうやって作ればいいのでしょうか。

成長するコミュニティの作り方

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小島さんは、AWSのマーケティング担当だったとき「JAWS-UG(Japan AWS User Group)」というユーザーが運営するコミュニティを作り、育ててきました。2010年に始まり、現在では全国に50以上の支部があるほどの規模です。

「コミュニティと名がつくものはたくさんあります。でも、商品やサービスのベンダーがやっていて、ユーザーのものになっていないものは、だいたい失敗しています。カタチだけのコミュニティではダメなんですよ」

小島さんによると、育っていくコミュニティには重要なポイントが3つあるそうです。

・オフラインファースト
・アウトプットファースト
・コンテキストファースト


ちゃんとオフラインで集まる場所があって、何のために集まるかがわかりやすく提示されていて、誰もがいつでも話す側に回れるーーそんな場であることが大切だそうです。

そして、そういったコミュニティを成長させて、継続するために必要なことも3つ。

・適切なリーダーの存在
・フォロワーの存在
・集まりやすい場(オフライン)の 継続


リーダーが必要なのはわかりやすいのですが、なぜフォロワーが必要なのか。それは、こちらの動画を見るとよくわかります(とても面白い動画ですので、ぜひご覧ください!)

デレク・シヴァーズ 「社会運動はどうやって起こすか」 | TED Talk https://www.ted.com/talks/derek_sivers_how_to_start_a_movement?language=ja

「引っ張っていける人がいるだけじゃ足りない。その人の真似をする人がいないとコミュニティは広がっていきません。最初のリーダーを見つけるのはベンダー側主導でいいのですが、フォロワーはコミュニティのなかから生まれていくことが理想的です。そのためには、フォロワーが生まれる場所をどんどん作っていくことが大切です」

このため、オフラインのイベントとして勉強会や懇親会を開催し、その一方でソーシャルやウェブサービスを通じて、オンライン上にもフォロワーを増やしていくという活動が必要になるというわけです。

「そのときに大切なことは、運営側と参加者の間にきちんとしたフィードバックループを作ることです。たとえば参加者の提案によって商品やサービスを改善したのであれば、それをちゃんと伝えていくこと。それを繰り返すことによって、コミュニティはますます活性化していきます」

小島さんはそういって、最後のスライドを開きながら
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「そうです。コミュニティは今日からできます。ぜひやってみてください」

「トレタユーザーコミュニティ」誕生か?


講義中や講義後、トレタの面々は活発に小島さんに質問を投げかけていました。

「運営側はコミュニティにどこまで口出しするべきなのか」

「リーダーのモチベーションは何なのか」
「コミュニティで話すネタは尽きないのか」

というぐあいに、質問の内容はかなり具体的。マーケティング担当だけでなく、セールスやエンジニア、デザイナーなど、今回のトレタ大学に刺激を受けたメンバーは、とても多かったようです。

その日の社内オンライン掲示板には、今回のトレタ大学の感想が次々と投稿されていました。おもな声を拾ってみるとーー

「これから進むに当たってのヒントが詰まっていました」
「容易ではないですが、目標ができました。ありがとうございました」
「潜在顧客がどうすれば顕在化するかを寝ても覚めても考えているなかで、今日のトレタ大学はとても刺激的でした」
「トレタ大学の話は、ツールに魅力があるトレタだからできることだと思うので、コミュニティは大きな力になると感じました」

この勢いがあれば、ひょっとすると近いうちにでも「トレタ ユーザーコミュニティ」が本当に誕生するかも知れません。どうぞお楽しみに!

最後に、小島さんからトレタへのエールを紹介しておきましょう。

「(コミュニティマーケティングの)大前提として、ファンがいない商品を広めることはできません。逆に、商品を”イイね”と言ってくれるファンがいるのであれば、その声をみんなに見える場所で言ってもらえるようにすればいい。外から見えない会議室の中でお褒めの言葉をいただくだけではもったいないです。その観点では、ファンが多くいる『トレタ』には、コミュニティができる素地が間違いなくあると思いますよ」
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