トレタでは、9月13日(水)にクリエイター向けのイベント「Creators Career Compass」を実施しました。たくさんの方にご来場いただき、大いに盛り上がった当日の様子をお届けします!

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Creators Career Compassって?

このイベントはトレタのメンバーだけでなく、他の会社のクリエイターの方とキャリアについての悩みを共有しあい解決していこう!というものです。今回集まってくださった登壇者の皆様も、業種・業界バラバラでしたが、クリエイターとしての悩みには共通のものがあり、濃いお話がたくさんできました。

登壇してくださった皆様

トレタからはCDOの上ノ郷谷が登壇しました。会社紹介ではiPadアプリのデモを披露
トレタCDOの上ノ郷谷

UI/UXデザインカンパニーのオハコ・デザインディレクターの澤田浩二さん
UI/UXデザインカンパニーのオハコ・デザインディレクターの澤田浩二さん

ココナラ取締役の新明智さんは最近テレビで放映されたCMを紹介してくれました
ココナラ取締役の新明智さん

リブセンスクリエイティブリーダーを務める高木康正さん。最近採用サイトをリニューアルされたそうです。
リブセンスクリエイティブリーダーを務める高木康正さん

各社の皆様が会社紹介を終えたあと、メインの座談会が行われました!

デザイナーという仕事は会社・事業、そしてユーザーに何を求められているのか?

座談会の中心になったテーマは各社の体制についてや、今デザイナーが何を求められているのか、そして何を目指して仕事に取り組んでいけばいいのかというお話でした。

各社のビジネスモデルやデザインプロセス・体制は?

トレタ上ノ郷谷 toB向け製品の開発・提供。カスタマーサクセスから上がってきた要望などをもとに事業推進部とディスカッション。要望をそのまま反映するのではなく、要望から課題を抽出するところからデザイナーがコミットしている。追加機能なのか?それとも改修なのか?オペレーションの変更を提案するのか?実際にメンバーがお店を訪問して調査をすることもある。

リブセンス高木さん 特に事業ドメインは絞っていない(リブセンスさんは求人領域だけじゃなく不動産領域などにも取り組んでいますよね!)デザイン部のような職種に特化した横軸組織はなく、事業別に直接デザイナーが紐づく「縦型」の組織。なのでデザインプロセスも事業部ごとに独自で発展し、ボトムアップでデザインプロセスが進化している。デザイナーが受託開発的にプロダクトデザインに携わる事はないのでデザイナーやエンジニアが上流工程からプロダクトのデザインに携われる体制になっている。

ココナラ新明智さん CtoCのプロダクト。CtoCかつホリゾンタルなカテゴリ、そして無形物である「サービス」を扱うので、ターゲットやプロセスが多種多様なのが非常に難しくチャレンジングなポイント。そのため社内の様々な職種のメンバーでああでもないこうでもないとディスカッションしながら企画がでてくる。デザイナーはそうした企画をユーザー目線で捉え直し、本質的に誰にどういう価値を届けることなのかを定義・翻訳しなおしてプロダクトに落とし込んでいく。

オハコ澤田さん 受託開発。まず、PMがクライアントに対してヒアリングを行い、その後、UIデザイナー・エンジニアがアサインされる。その後、プロジェクトのミッション、「誰に」「どんな価値を」「どのように届けるのか」等を設定するところから始まる。基本的に案件の掛け持ちは行わず、プロジェクトの進行中はそのプロジェクトにフルコミットする環境。エンジニアもUIデザインに感度が高く、積極的にデザインに意見を出してくれる。

規模もビジネスモデルもバラバラですが、どの会社も共通しているのはデザイナーがコミュニケーションのハブとなってプロダクトづくりを行っているというところ。ユーザー・クライアントや社内からの意見をそのまま製品に反映させるのではなく、プロダクトへの「翻訳」の役割を果たしているようです。

各社のデザイナーの職域や求められるスキルは?

次に話題は各社のデザイナーの職域やスキルについての話に。ここ数年でデザイナーが持っているスキルや職域も変わってきた中、実際の現場の生の声があがりました。

オハコ澤田さん 我々が扱うプロダクトのデザインは、即ち、クライアントのビジネスのデザインだと思っているので、ユーザーのことを理解していくのと同等に、クライアントのビジネスを理解する能力が求められます。その上で、エンジニア/PMと日々、ディスカッションをしながらUIやUXをデザインし、プロダクトの価値を創っていきます。

ココナラ新明智さん エンジニアが効率を最大化する仕事に対して、デザイナーは設計や意匠を用いてプロジェクトの成功確率を最大化する仕事という定義が気に入って最近はそう考えてる。ユーザーに使ってもらえるように、使い続けてもらうように仕立てるのがプロジェクトの成功確率をあげていく。そのためにユーザーにどんな価値を届けるべきか、主役であるユーザーに伝わる言葉に置き換えながら意匠・設計を用いてそれを実現していくのがデザイナー。

リブセンス高木さん 基本的にサービスデザインを行うことが軸になっており、そこに必要なスキル全般の獲得を柔軟に実践出来る様な環境や仕組み作りを企業として目指している。デザイナーに求められる役割は広がっていく一方で、その全てをデザイナーが担うことは難しいと考えている。リブセンスのデザイナーには全てをカバー出来るデザイナーを目指してもらうというよりは1つのスキルにしっかり軸足をおいて、そこから個別なりたいデザイナー像へ近い領域へ越境して行ける様に働きかけている。

トレタ上ノ郷谷 ユーザーを中心にどういった価値を届けるか設計するところから携わっている。これまではデザイナーとして関わる部分は製品開発にフォーカスされていたが、トレタのデザイナーには販売やサポートも含めてもっと横断的にビジュアルを検討できるキャリアや組織にしていこうと考えている。

キャリアステップの話

このあと話題はキャリアステップの話に。ベンチャーやスタートアップだからこそ出来る、自分たちでキャリアステップを設計しながら仕事をしていけるという環境でみなさんはどういうことを考えているのか聞くことができました。特に印象的だったのがリブセンス高木さんとココナラ新明さんのコメント

リブセンス高木さん 『クリエイターにとって、マネジメントは罰ゲームでしかない。デザイナーに関わらずクリエイターでありながらマネジメントをやりたい人って、良く良くヒアリングしてみると求めている事はマネージメントではないケースが往々にしてあると思っています。リブセンスは職種や職位に縛られてデザイナーとしての柔軟さを損なう様な文化ではないですし、デザイナーとしてよりよい価値を生み出せる思考の大切さ、つまりビジネスとクリエイティブ、部分最適と全体最適など、それらを俯瞰で捉え最適な形に変えていく力を養える環境があると思っています。』

ココナラ新明智さん 『多くの場合、人をマネージすることを前提に会社はキャリアパスを用意します。組織が事業部制(縦軸)の場合、その組織をマネージするのは必然的に人数が増えていく職種もしくは数字責任をもつ職種になっていきますが、事業部制ではデザイナーの数が他の職種よりも多くなることは稀です。そうした組織の場合、会社が用意するキャリアパスは構造的にデザイナーの方を向いていません。つまり端的にいうとデザイナーのキャリアは上からは降りてこない。そういうのを求めるのなら職種が強い(横軸)制作会社など行くか、起業して小さい組織で責任を持ってやっていかないとキャリアを開けない。何に幸せを感じるか?何をやりたいか?うれしいことと給料があがることをそろえられる場所を見つけられるのが一番。会社が求めるスキルと自分がやっていきたいことのバランス感。言い方は悪いが、何も考えなくても頑張ればある程度ひきあげてもらえる確率がビジネス職と比べてかなり低い。もし自分で切り開くガッツがあるならスタートアップは責任範囲が広くキャリアパス自体を自分が作っていけるのでオススメだと思う。』

話題は個人のキャリアの話へ…

会社のデザイン体制の話に続いて、話題は個人のキャリアの話へと…4名とも今はリーダーとしての役割を果たしていますが、これまでにあったデザイナーとしてのターニングポイントについて聞くことが出来ました。

オハコ澤田さん 新卒で入った会社ではとても忙しかったのですが、そこで基礎ができました。そのあと転職した会社では優秀なデザイナーばかりでそれまでに得たわずかな自信をなくしてしまったんですが…。本業とは別にプライベートワークにも寛容な環境だったので、本業はしっかりしつつも、周りの優秀なデザイナーよりも2倍、3倍動こうと思いました。本業も含め、様々なジャンルの仕事を行っていくことで自分の中でデザインの軸ができました。この一連のプロセスが大きなターニングポイントだったように思えます。

ココナラ新明智さん 起業した時ですね。起業する前は仕事でどんなに使いやすいUIが大事と言っていても自分が意見を通して最後まで責任をもつことはできなかった。自分の言っていることが伝わらないのも、どこか仕方ない、自分に責任がないと思っていた。起業して自分が最終責任を持つ立場になって変わりました。誰のためにやっているかを持っているとブレない。

リブセンス高木さん リブセンスに入る前は、歌唄いとして何か世の中にインパクトを与えることが出来ないかとがむしゃらに音楽に打ち込んでいました。その後、ある事がきっかけでデザイナーになりました。いろんな制作会社を転々として、フリーランスに。当時、フラッシュ全盛期でビジュアル面のコンテンツが立っているクリエイティブが良しとされていて、トレンドを意識しすぎた中身のないものばかりでした。そう言った事もあっていつからか本当に意味のあるもの作りたいって思い始めました。自己表現よりのデザインではなく、ちゃんとロジックやクリエイティブにこだわる。いわゆるデザインをフレームワークに当てはめた虚飾のクリエイティブではなく、直感力を大切にしつつ、世の中の負を正す為のロジカルで意味のあるクリエイティブができる会社を探し始めました。そんな中、そういった思考がもともと経営陣や既存デザイナーに根付いていたリブセンスに出逢いました。現在、リブセンスではどの職種にも越境文化があり、営業の人もSQLを書いたりするので成長意欲が満たされる。そういう文化を楽しんでいます。

トレタ上ノ郷谷 もともと紙のデザインをやっていたんですが、なかなか提供している人が見えなかった。その後、事業会社に入ると、製品を売っている人や使っている人が見えやすくなって、すごくプレッシャーを感じました。でもそれと同時にすごく楽しいと思えました。最近はデザイナーとして経営に関わるようになってきて、デザイナーとして会社や事業の優位性を話さなければ行けない立場になって、さらにプレッシャーを感じてます。今はその立場を通じて、デザインやデザイナーはもっと社会の役に立てる存在なのではないかと思っています。

どうなる?これからのデザイナーのキャリア

会社ごとにビジネスモデルの違いによって若干仕事内容に違いはありましたが、共通するのはデザイナーがユーザーと向き合う姿勢でした。またデザイナーのキャリアについては、まだどの会社も試行錯誤をされている最中のようです。しかし確実にデザイナーが社会に与えるインパクトは大きくなってきていて、組織の中での役割も変化しているように感じました。

Creators Career Compassでは引き続きエンジニアやデザイナーの皆様のキャリアについて考えるイベントを実施していきます!ぜひ遊びにいらしてください!